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【計画を成果につなげるTOCの視点③】ロジックを綺麗に整えるだけで、本当に十分?

  • yukoarao
  • 7 日前
  • 読了時間: 8分

ロジックモデルの捉え方を深め、現場に「生きた連動性」を生み出す


こんにちは。管理人のつなぎです。 今回は、前半にみんなで共有した「もやもや」を出発点に、明日からの仕事がちょっとラクになる考え方を深掘りする「テーマトーク」の時間です。これまでお届けしてきた「日々の実務と目指す成果をつなぐアプローチ」も、いよいよ今回が完結編です。 前回、コアラさんたちがひろってくれたのが、 「ロジックモデルやPDCAが、単なる形式的な枠埋め作業になってしまっている」 という声でした。 「これで本当に良いのかな?」と疑問を感じながらも、提出期限に追われ、目先や手元にある材料だけで判断して枠を埋める。そんな現場の声は、よく聞きます。本当は、事業の目的や目指す成果をじっくり考えたいはずなのに、個別の箱を埋める作業の中では、本来考えるべきことを考えきれないまま進んでしまいがちです。 最終回の今回は、行政現場でもおなじみの「ロジックモデル」を入口に、事業をどう捉え、政策全体の中でどうつなげていくのかを、もう一歩深く考えてみたいと思います。 (ラウンジの仲間のプロフィールは、第0回の紹介記事で公開しています)

日頃、事業計画や事業評価をどのように考えていますか? 本来、ロジックモデルやPDCAは、事業を「実施したか」だけではなく、その活動がどのような変化につながったのかを考え、事業をより良くしていくために活用するものです。 しかし実際には、現状や実施結果を記載し、指標を確認するだけのツールになっている場合もあります。すると、いつの間にか「枠をきれいに埋めること」自体が目的となり、単なる事務作業になってしまいます。 でも、本来考えたいのは、もっと大きな問いではないでしょうか。 「私たちは、地域をどう変えたいのか。そのために、住民・地域・行政にはどのような変化が必要なのか。そして、自分たちの事業は、その変化のどこを支えているのか。」私たちは、こうした問いを考える際の見方を、ひとつの整理として、TOC → ロジックモデル → PDCAという流れで捉えています。そして、この見方をイメージしやすくするために、TOCを「鳥の目」、ロジックモデルを「魚の目」、PDCAを「虫の目」と表現しています。これは、いわゆる「鳥の目・魚の目・虫の目」という一般的なフレームワークを紹介しているということではありません。政策を、全体・つながり・現場という異なる視点から立体的に捉えるための、私たちなりのイメージです。

まずは「鳥の目」で、政策全体の変化を見渡す

図の上段にあるTOCは、政策全体の「変化の道筋」を描くためのものです。ここでは、まず「現状・課題」から出発して、誰が・何が変わる必要があるのかどのような変化が起きるのかその変化が積み重なると、どのような状態につながるのか最終的にどんな社会を目指すのかという流れを考えていきます。行政の政策を考える場合、変化する主体は住民だけとは限りません。住民、地域、行政など、政策課題に応じて「誰・何が変わる必要があるのか」を捉えることが重要です。そのうえで、どのような変化の道筋を描くかは、政策課題に応じて設定します。つまりTOCは、個々の事業を見る前に、「そもそも、私たちは何を変えようとしているのか?」を、政策全体で共有するための地図のようなものです。

TOCで全体を見ると、「ボトルネック」が見えてくる

そして、全体の変化の道筋を見渡すことで、「目指す変化に対して、どこが不足しているのか」というボトルネックも考えやすくなります。 例えば、住民向けの健康講座をどれだけ開催しても、参加者が固定化していて、本当に届けたい層に情報が届いていないのであれば、課題は「講座の開催回数」ではありません。その前段にある、「周知やアプローチの方法」がボトルネックなのかもしれません。あるいは、講座への参加者を増やすことができても、その後の行動や継続につながっていないのであれば、OutputからOutcomeへのつながりに課題があるのかもしれません。 こうしてTOCで全体を見渡すことで、「何をやったか」だけではなく、「その結果、何が変わったのか」「その変化は、次の変化につながっているのか」という視点を持つことができます。 そこで「魚の目」で、一つひとつの事業を見る全体の変化の道筋が見えてきたら、今度はロジックモデルで個々の事業を見ていきます。ここでは、Activity(何をするか)→ Output(何を生み出したか)→ Outcome(その結果、何が変わったか)という流れで、自分たちの事業がTOC上のどの変化を担っているのかを確認します。 例えば健康講座であれば、「何回開催したか」「何人参加したか」だけを見るのではなく、「参加したことで健康への関心が高まったのか」「実際の行動につながったのか」まで見ていく。もしOutcomeにつながっていないのであれば、事業の目的をもう一度確認しながら、どこで変化が止まっているのかを考えてみる。 そうすると、単に「事業を実施したか」を確認するのではなく、成果につながる事業の組み立てになっているかを考えられるようになります。 そして「虫の目」で、現場から改善していくここまで整理したら、最後はPDCAです。計画を立て、実行し、結果を確認し、そこから改善する。一見すると当たり前のことですが、ここでも大切なのは、何を基準に改善するのかということです。TOCで「政策全体としてどこを目指しているのか」を確認し、ロジックモデルで「自分たちの事業がどのように成果につながるのか」を整理しておく。そのうえで、実際の現場で起きていることを見ながら、事業を改善していく。つまり、TOCで全体を見る→ ロジックモデルで事業を見る→ PDCAで現場から改善するという関係です。そして、PDCAで得られた結果や現場の気づきは、再びTOCに戻して、政策全体の方向性や変化の道筋を見直す材料にもなります。一方向に進むだけではなく、行き来しながら考えていく。そこに、この3つを組み合わせて使う意味があると考えています。

事業を「点」ではなく「つながり」で見る

こうしてTOCとロジックモデル、PDCAを行き来すると、個別事業だけでは見えなかった課題や、他の事業との連携の可能性も見えてきます。 こうした考え方は、特に組織横断の視点が必要な計画策定の場面で有効です。例えば、地域福祉計画など、複数の部署や関係機関が関わる計画では、まずTOCで、「地域全体として、どのような変化を起こしたいのか」を共有する。その上で、「その変化を起こすために、自分たちの事業はどこを担うのか」「どのようなOutcomeを生み出す必要があるのか」をロジックモデルで整理する。 実際に、柏市の地域福祉計画などの策定支援をさせていただいた際も、このような設計のもと、関係各部署のみなさんと連携しながら、それぞれの事業方針を整理し、全体の方向性を共有していきました。 そうすることで、個々の事業がバラバラに存在するのではなく、「この事業は、あの部署の取組とここでつながり、全体としてこの変化を起こすために必要なんだ」という関係性が見えてきます。

「枠を埋める」から、「変化を考える」へ。

鳥の目で政策全体を見て、魚の目で事業のつながりを捉え、虫の目で現場から改善する。私たちは、そんな見方でTOC・ロジックモデル・PDCAを組み合わせています。その両方を行き来することで、ロジックモデルも、単に枠を埋めるためのものではなく、事業をより良くしていくための道具になっていきます。「枠を埋める」から、「変化を考える」へ。そんなふうにTOCとロジックモデル、PDCAを組み合わせて考えてみることで、日々の現場で感じている「これでいいのかな?」というモヤモヤも、少しずつ整理していけるのではないでしょうか。

これまでの「もやもやトーク」を振り返ってこれまで3つのテーマにわたり、現場のモヤモヤを出発点に考えてきました。

  • 第1章(vol.1・2): 部分最適から一歩引き、日々の実務とゴールをつなぐ「全体観(TOCのストーリー)」を持つこと

  • 第2章(No.3・4): リソースの限界を認識し、全体地図から「ボトルネック」を見極め、共通の目線で取捨選択と集中を行うこと

  • 第3章(No.5・6): 計画策定等の機会を活用し、TOC・ロジックモデル・PDCAを組み合わせ、個々の事業を「生きた連動性」へとつなげていくこと

大切なのは、難しい理論やフレームワークの箱を、きれいに埋めることではありません。日々の仕事の中で、「私たちの頑張りは、どこにつながっているんだろう?」と立ち止まったときに、部署や職位を超えて、みんなで同じ地図を広げ、語り合える「共通の言葉」を持つことです。まずは、次の計画改定や事業見直しの機会に、「私たちが目指す変化のストーリーって、どうつながっているんだろう?」と、一歩引いて考えてみる。そんな小さな一歩から、始めてみませんか。── さて、次回のラウンジからは新しいテーマでの【もやもやトーク】が始まります!現場の切実な声に耳を傾けながら、明日からの仕事が少しラクになるヒントを、また一緒につむいでいきましょう。 いつでも、この場所でお待ちしています。 運営主体:株式会社クレメンティア 代表取締役 荒尾裕子#行政職員のオープンラウンジ #行政専門職 #伴走支援 #行政職員 #公務員 #行政経営 #モヤモヤの言語化 #次の一歩 #サードプレイス #行政職員とつながりたい #行政中堅職員 #TOC #ロジックモデル #全体最適 #鳥の目虫の目 #PDCA #相乗効果 #計画策定 #対話の道具



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